前世戦士の映画日誌

前世が戦士らしい女が映画を観て色々吐き出します 生態日誌です

『N.Y.犯罪潜入捜査官』サム・ニールがボンド役のオーディションに落ちた理由がわかった件

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昨日『ゲーム・オブ・スローンズ』のシーズン7まで(こだわる)観終わった後、ふとAmazonを見ると、この映画のDVDが1枚だけ在庫がありとなったので即購入。着荷して即観ました。
サム・ニールのファンとロブ・ロウのファン以外、全く需要がない映画なんですが、私はそのサム・ニールが大好きなので、前々からDVDが欲しかった作品です。
最悪レンタル落ちの中古を覚悟してたんですが、まさかの新品で幸せです。
ちなみにこれ、正確にはTV映画。日本で言えば、土曜ワイド劇場よりは上かな、という感じ。

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いやー、予想通り、中途半端な出来で大満足です‼
……というのはTV映画だと知っていたから言える感想で、そうでなければ「はい⁉」となること必須。雑です、雑。
そのせいか誰も話題にしていないらしく、ネットで検索かけると検索結果に『N.Y.心霊捜査官』*1と混ざって出てくる始末。もちろん、これぽっちも関係もありません。

作品紹介にある「アクション」は無いも同然だし、DVDのパッケージにある「激突」も「生死」も「壮絶」もありません。ロブ・ロウ演じる刑事のマイクも、果たして腕利きかというと、正直者なだけじゃないの、という感じ。

そもそも、邦題にあるような「潜入捜査」はしてないんですよ。だからといって、原題の”Framed”(無実の罪をうけた、罠にはめられた)というのも微妙。
マイクの過去や終盤の状況を表してるんだろうけど、そこはドラマの中核じゃないから、タイトルにされてもねえ……。
邦題原題共に「なんか違う」という、ズレてる感がすごいです。

でもサム・ニールは良かった!
彼のうさん臭い眼力が最初から最後まで堪能できて、サムを観ているだけで楽しいんですよ!(誰にも響かない感想)
彼の一番の魅力は腹に一物ありそうな眼力なので、目つきが悪くて、ついでに裏表がある役を演じてくれてりゃ、私はそれで充分なのです。うふふふふ。

それに今回の役柄は、金持ちで趣味の良い贅沢男。
仕立ての良いスーツ、優雅にワイン、なーんて風情をサラっと出せるのも、サム・ニールの持ち味。影響されてスーツやワインを嗜むも慣れてないマイクの姿と、なんと違うことでしょう。
ノーブルで知的な雰囲気を、ナチュラルに醸し出せる役者が減った昨今ですが、やっぱりサム・ニールは出てるだけで違います。

正直、この話で彼が仕掛けてる罠なんて大したことじゃなく、ただただ警察やFBIがアホなだけなんですが、出てる役者の中でサム・ニールの格が違うから、なんか妙に納得してしまう。
……というのは、はい、ファンのひいき目です、すみません、ごめんなさい。

でもですね、ファンだからこそわかる、ダメなとこってのもあるんです。「あちゃー、これは違うわ」と思ったのが、女性を侍らせているシーン。
サム・ニール、エロが皆無。全然これっぽっちも見当たらない。

しかもこの役、妻と愛人と3Pするような男なんだけど、そんなエロいことするように全く見えない。
百歩譲って、妻と愛人がベッドいちゃついてるところをソファでワイン飲みながら見て興奮する、なんて性癖ならありかなー。
でもなー、なんだかなー。
ちがうなー。

そこで思い出したのが、サム・ニールティモシー・ダルトンと共に、四代目ジェームズ・ボンド役の候補だったって話です*2
サム・ニールだって、ノーブルでタキシードも似合うし、一筋縄ではいかない男は演じられる。マティーニだって似合うだろう。声も良いから、「ボンド、ジェームズ・ボンド」ってお約束のセリフもステキだろう。

でも、ボンドに一番必要な、セクシーさが無いから無理なんだよおおおお!
好みじゃないけど、私が製作陣でもティモシー・ダルトンにするわ、悪いけど。

などという、おかしなことを考察する余裕が十分にある映画でした。
長年の夢が叶って満足です。
ただし、もう一回観るかどうかは、神のみぞ知る。

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*1:エリック・バナ主演の、やたらと霊感が強い刑事の話。結構面白いです。

*2:『007 リビング・デイライツ』DVD特典にあるメイキングに、カメラテストの映像があるらしい(Wikipedia参照)。そのためだけに買おうかどうか、もう長いこと悩み中。そもそも、それを収録した版はまだ売っているんだろうか……