前世戦士の映画日誌

前世が戦士らしい女が映画を観て色々吐き出します 生態日誌です

『ガンズ・アキンボ』トランクス姿を見て汚部屋事件を思い出し言い訳したくなる話(ネタバレなし)

この映画を観て真っ先に思ったことは、昨年、外出先でぶっ倒れて救急搬送された時のことでした

スイス・アーミー・マン」「ハリー・ポッター」のダニエル・ラドクリフが主演を務め、両手に拳銃が固定された状態でデスゲームに参加させられた男の戦いを描いたアクション。ゲーム会社でプログラマーとして働くマイルズは、ネットの掲示板やコメント欄に過激な書き込みをして鬱憤を晴らしていた。ある日、マイルズは本物の殺し合いを生配信する闇サイト「スキズム」に攻撃的な書き込みを繰り返し、サイトを運営する闇組織のボスを怒らせてしまう。組織に襲撃され気を失ったマイルズが目を覚ますと、両手にボルトで拳銃が固定されていた。さらに元恋人も人質にとられたマイルズは、「スキズム」で最強の殺し屋ニックスに24時間以内に勝てば解放すると言い渡される。殺し屋ニックス役に「レディ・オア・ノット」のサマラ・ウィービング。監督・脚本は「デビルズ・メタル」のジェイソン・レイ・ハウデン。

2019年製作/98分/R15+/イギリス・ドイツ・ニュージーランド合作
原題:Guns Akimbo
配給:ポニーキャニオン

ガンズ・アキンボ : 作品情報 - 映画.com

映画.comの説明にある通り、主人公マイルズは、気づけば両手に拳銃をボルトで止められて殺人ゲームに放り込まれます。
ただ、その時マイルズは自宅で惰眠を貪っている最終だったので、ガウンとスリッパ(しかもトラの足)、アンダーシャツとトランクスというあられもない姿だったのですよ。
両手に拳銃が固定されているもんだから手は使えないわけで、服も着替えられず、そもそも部屋から出ることすら大変。
そして殺人鬼に追われるわ街は不審者状態で徘徊するわ元恋人の車に乗り込んで催涙スプレーは浴びせられるわ、思いつく限りのヒドイ目に遭う訳です。
これがもう可笑しくて可笑しくて、人の不幸を堂々と笑えるというフィクションの醍醐味を思う存分味わえます。

こういう恰好です
ところが後半、色々あってまともな服に着替えてからは、さほどひどい目に遭ってるように見えないんですよ。
両手に拳銃が固定されてることに変わりはないんですが、ズボンを穿いてるだけで急に普通のアクション映画に思えてくるから不思議です。
そもそも前半のトラブルは、両手に銃が固定されていること以上に、トランクス姿でうろうろしているせいで招いた不幸なんじゃないかと思う。

結局のところ、すべては見た目がちゃんとしてるかどうかにかかっている訳です。
 
いやほんと、人生何が起こるかわかりません。
わたくし、昨夏に外出先で倒れて救急搬送されたんですが、救急車の中で頭に浮かんだのは、命の心配でも、ましてや転職したばかりの仕事のことでもありません。
 
「やばい、部屋が今、史上最高に汚ねえ」
 
あれは夏の日曜日。転職してから上司やクライアントとうまくいかず、休日もやる気が入らない日が続いていた私。
もともとさしてきれい好きでもないものだから、その日もダラダラ生活していて、気づけば台所は料理の途中、洗濯物は取り込んだだけ、ゴミと書類は床にぶちまけたまま片付けもせず……はっきり言って足の踏み場もない状態
その状態でちょっとスーパーへ出かけたのが全ての間違い。
家を出てから1時間と経たずに、私は救急車に乗せられていたのでした。
 
で、搬送されて即入院だったもんですから、近所に住んでる姉に頼んで、着替えを取りに汚部屋に行ってもらうしかなかったんですね。
しかもよりによってこの姉が、家族の中で最もきれい好きの人でして。
こういう事態を想定して合鍵を渡してあるわけだし、近くに住んでて助かったと思うのも本当だし、ありがたいと思ってるのも本当ではあるのだけれども。
でもああ何でよりによって今なんだよと、自分のだらしなさを棚の一番上に上げたくなる心境を誰か分かって
 
そういう経験をした上でマイルズのトランクス姿を見ていたら、他人の不幸を笑いつつも自分の不幸も思い出して悲喜こもごも(使い方が多分違う)な気分になってきたわけです。
マイルズは途中でズボンを穿けたけど、私には入院中に片付けしてくれる緑の小人さんが来てくれたわけでもない
退院の時もきれい好きの姉は家まで付き添ってくれた。
ありがたくも、汚部屋を二度も見られるのはつらすぎる。
 
…………いや、だめだ。
言い訳させて。
言い訳させてください!
普段はそこまでひどくないの。
きれい好きではないのは確かなんだけど!
掃除を筆頭に家事全般嫌いなんだけれども!
埃は放置しててもゴミまで散らかし放題にする質ではないんだってば!
って、くそ、説得力がねえ!