前世戦士の映画日誌

前世が戦士らしい女が映画を観て色々吐き出します 生態日誌です

『ワンダーウーマン 1984』ダイアナとジェームズのように生きていきたい(ネタバレあり)

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どうしてもどうしてもどうしても、どおおおおおしても、この映画だけは2020年のうちに観たくて、観た。

2020年、劇場で映画を観たのは『ワンダーウーマン1984』を入れて3本しかなく。これはコロナのせいというより、仕事で疲弊しすぎて映画館まで行くパワーがなかったから。
ちなみに観た映画は『地獄の黙示録*1と『ランボー ラスト・ブラッド』。チョイスが私の精神状態そのまんま。

なのになぜ『ワンダーウーマン1984』なのかというと、主人公ダイアナが大っっっ好きだから。
我が家の「好きなものコーナー」には、真ん中に「映画秘宝」の扉絵になってた、長野剛さんが描いたダイアナがどーんと貼ってあります。

戦士として憧れるのはシャーリーズ・セロン様(ついに「様」を付けだした)だけど、最終形態としてこうなりたいって思うのは、ダイアナなんですね。

DCコミックスが生んだ女性ヒーロー、ワンダーウーマンの誕生と活躍を描き、全世界で大ヒットを記録したアクションエンタテインメント「ワンダーウーマン」の続編。スミソニアン博物館で働く考古学者のダイアナには、幼い頃から厳しい戦闘訓練を受け、ヒーロー界最強とも言われるスーパーパワーを秘めた戦士ワンダーウーマンという、もうひとつの顔があった。1984年、人々の欲望をかなえると声高にうたう実業家マックスの巨大な陰謀と、正体不明の敵チーターの出現により、最強といわれるワンダーウーマンが絶体絶命の危機に陥る。前作でもメガホンをとったパティ・ジェンキンス監督のもと、主人公ダイアナ=ワンダーウーマンを演じるガル・ギャドットが続投し、前作でダイアナと惹かれあった、クリス・パイン演じるスティーブも再び登場する。

2020年製作/151分/G/アメリ
原題:Wonder Woman 1984
配給:ワーナー・ブラザース映画
(映画.comより)

だから「ダイアナになりたい」と願うバーバラ(ダイアナの同僚)の気持ちは、すごくよくわかります。
私だって美人で可愛げもあってスタイル良くてお洒落で頭良くて仕事できてコミュ力高い、ダイアナみたいな女性になれるもんならなってみたい。
でも今作で痛感したのは、バーバラ筆頭に、私たちフツーの女性が単純に「なりたい」ってパッと思うダイアナ像って、ダイアナの構成要素の一部に過ぎないんですよ。

ダイアナが魅力的なのは、彼女は自分が何者なのかはっきりわかっているから。
ダイアナがをダイアナたらしめていることは何か。
物語を通じて成長はしていくけど、彼女の根本は最初からずっと変わりません。
世界を救う愛の戦士、それがダイアナ。

でも、いろんな出来事があって、ダイアナは信じていた自分がグラグラ揺らいでしまう。
そこで重要な役割を果たすのが、ジェームズなんですね。

ジェームズも、ダイアナ同様、自分が何者かわかっています。
だから彼は、ダイアナと自分を比べて自分を卑下したり、逆にマウント取りにいくような、自己評価の低い人間がやりがちなことは全くしない。
もうそういう男ってだけで、惚れるのに十分すぎるほどイイ男。

そしてさらに、彼はダイアナがダイアナであることを、尊重することができる。
しかも、そうすることが、ジェームズがジェームズであることと矛盾しないので、彼はダイアナを頼ることも助けることも当たり前にできる。
だから、自分の存在を消せと、躊躇なく言えてしまうのです。

ダイアナの本当の願いが「ジェームズといたい」ってことなのは嘘じゃない。でも破滅した世界でジェームズと一緒にいたところで、彼女は「世界を救う愛の戦士」だから、本当に幸せになることはない。
自分が自分自身であることと引き換えに手に入る幸せなんて、多分、この世にはないんだろう。願いの石のせいで世界がおかしくなるのは、そのせいかもしれません。

自分自身でいようとすることは、実は結構タフな道のりです。ありのままの自分でいることは、そうしようという強い意思が必要です。
ダイアナとジェームズは、どんなに辛くても必ず自分自身でいることを選択する、そういう強さを持っている。
私もそうありたくて、二人の別れのシーンからはひたすら泣いた。
プレミアシートなのをいいことに。

映画は、バーバラが願いを取り消したがどうか、わからないまま終わってしまう。
彼女は私たちの姿でもあるから、私たちが「願いを取り消したい」と思えば取り消すのだろうし、そうでないなら取り消さないままなんだろう。

私はね、取り消したと思いたい。私は、私自身でありたいし、そうする強さが欲しいから。

 

ということを書いて2020年を終えるつもりでしたが、間に合わなくて2021年になりました。まさかの『ディープ・ブルー』が2020年最後の投稿になり、軽く動揺しています。

まあでも、そんなところも含めて、私はそういう私でしかないのでねー。
だから、今年は自分自身であり続けるぞと、宣言して始めたいと思います。
本年もよろしくお願いします!

 

*1:1979年のフランシス・フォード・コッポラ監督のベトナム戦争映画。私が観に行ったのは2020年2月末に公開されたファイナル・カット版。コロナで新作が少ないからか巨大なスクリーンで、この狂った映画を観た。映画に完全に没入し、観ていた自分も狂ってた。